Holographic Interferometry

ホログラムを”その場”(in situ)で作成すると実時間ホログラフィ干渉法が可能 古典的な干渉計に対して大きな利点があります。

利点をまとめたものが上図ですが、古典的な干渉法ないし干渉計測法は、マイケルソンの干渉計やマッハツェンダー干渉計と呼ばれるものが代表的なものです。概説しておきましょう。Laserが使える環境ならば比較的簡単に組むことができます。高校の物理で習ったりするのかもしれませんね。まずマイケルソンの干渉計(Michelson’s Interferometer)は、

要するに二つの光波の干渉を観察するのですが、干渉は二つの光波の光路長の差に起因します。光路長の変化が位相差を生じさせ、その位相差によって”波(この場合は光波)”の強度が変化します。その空間的分布が干渉縞です。光路長は、下図のような線積分(光路ににそって屈折率の変化を積分)したものです。式で書けば簡単で、

マイケルソンの干渉計では普通はn(s)は一定なので、sの差が光路長変化になります。n(s)がsで変化する場合は、透過位相物体の場合になり、普通は

のようなマッハツェンダーの干渉計で実験します。これらの古典的干渉計に対して、実時間ホログラフィ干渉法が優れているのは、撮影時の物体(透過物体でも粗面反射物体でもよい)からの波面はホログラムに記録されており、物体がもし変化すると今(Real-time)の物体からの波面がホログラムの撮影時の波面と干渉し、その結果生じる干渉縞が実時間(Real-time)で観察できるということです。現象が高速であれば、撮影系の時間分解能を上げればいいことで、上図のように回転プリズム式高速度カメラなどを用いた手法を”高速度ホログラフィ”として筆者らの研究室では提唱していました。ちなみに筆者の博士論文は”実時間ホログラフィ干渉法に関する研究”でした。

実時間ホログラフィ干渉法では、写真乾板をその場(in situ)で現像してホログラムを作成する必要があるのですが、そのためには若干の工夫が必要です。当時一般的だった銀塩感光材料(写真乾板)を使う場合には、リキッドゲート(Liquid-gate)というものを使いました。

要は水槽のようなものに写真乾板を入れて、まず水を入れてから写真感光材料が膨潤するまで数分間時間をかけます。露光後、水を抜き、現像液、停止液、定着液を入れて普通の現像処理を行ってから、最後に水を入れて観察状態となります。その手順は、

の様な手順ですが、最後に漂白という処置を施す場合もあります。これは上図右にあるような振幅型ホログラムを位相型ホログラムに変換するためのもので、その目的は回折効率を上げることでした。後年別の原理でホログラムを作成するTP装置が出てきたので、その紹介もしておきましょう。

TPとはThermoplastic-Photoconductorの略で、光導電体と熱可塑性樹脂をあわせたものです。上図右のように荷電->露光->再荷電することで、光が当たった部分が変形することで最初から位相型のホログラムが作れます。もちろん現像はその場でできますから実時間法が可能で、回折効率も高くアクセスタイムもLiquid-gateより短いですから利点が多いのですが、さすがに空間分解能は銀塩感光材料ほど高くないので、光学系に工夫が必要です。

典型的な透過位相物体あるいは現象である”燃焼現象”の解析を色々な干渉法で記録した結果を示します。対象は、

4サイクルエンジンの上死点付近にピストンヘッドがあるような状態で、燃焼現象を記録しました。

光学系は、

の三つですが、結果を並べると実時間ホログラフィ干渉法の長所が顕著です。

燃料の等量比を変えた時の燃焼波面の広がりの記録です。燃料が”濃い”方が燃焼速度が低い結果です。

別の手法では、

となり、レーザー干渉計ではバイアスフリンジが常に存在して解析の邪魔になり、シュリーレン法はそもそも定量計測には向かず、屈折率変化の勾配を捉えているのでさらに定量測定には向きません。

振動計測も実時間法では、”共振点探査”が可能です。その例は、

実時間時間平均法という手法でリアルタイムで共振状態が観察できます。干渉縞のコントラストは低いのが欠点です。

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