第2回 Optical Holography

少し古くて痛んでいますね。1971年刊行の本です。大学院の学生だったので、まさにStudent Editionを購入しました。\6,660と鉛筆書きがしてありますが、丸善価格だったのでしょうね。1971年ならば既にISBNナンバーはあったはずで、0-12-181052-6ですね。検索してみると、思わぬ関連サイトがみつかりました。Holorerさんの、
ホログラフィに関する本
でヒットしました。
余談はこれくらいにしておいて、タイトルが
Optical Holographyですから、光学ホログラフィと訳すべきですかね。で、そのHolographyは、
Holo + Graphyで、Holo = Whole, Graphy=グラフィ(記録術、写真術あるいは技法)というあたりでピントくるかたもいらっしゃるかもしれませんが、光波の情報をもらさず(全部=whone)記録し、後で再現するという技術です。光波でなくて音波でも可能ですが、音波を対象とする場合は、Acoustic Holographyということになります。アコースティックギターと言った場合のAcousticですね。この時に記録された媒体をHologramといいます。単にHoloともいいます。HolodeckのHoloですね。(Startrek TNG参照のこと)Optical Holographyは、可視レーザーを使います。Laserについては、以前にごくごく荒く解説しました。
coherentつまり可干渉性を持った光源が必要で、その性質を使って、光波面の記録と再生を行います。ごくごく簡単な例を示します。いわゆるOff-axis Holographyです。古いスライド(講義の時に使いました)を再利用すると、Laserが計測への応用に盛んに利用されていた1960年から70年代は、

上図で思い出しましたけど、地震波も波ですから、その記録と再生が理論的には可能です。

Off-axis Holographyの際の基本的な光学配置が上図です。Laserからの光(ビーム状になっています)を二つに分けます。上の図のようにBeam Splitterと呼ばれる”半透鏡”を使ったり、波面を二つに分けたりします。物体(Object)に当てる光を物体光と呼び、物体の情報を含まない光を参照光と呼びます。これら二つの光を上図でHologramとしている位置に置いた写真乾板に当てて、干渉を記録します。これがHologram作成段階で、できあがったHologramに参照光だけを当てると、物体光が虚像として再生されます。この時再生される波面は、波面としてのすべての情報を含んでいて、立体画像として観察できます。再生像の例は、

敢えて後ろ側のソファーにも照明を当てていますが、手前のホログラムに左から再生光(作成時の参照光と同じ)を当てると、ちょうどホログラムが窓のようになり、その窓を経由して向こう側に再生像が浮かび上がって見えます。頭を動かして視点を移動させると、窓越しに見える像も動きます。もとの物体があり、それを窓越しにのぞき込んでいるような状況です。立体像として見えます。真の立体像であり、記録時の光波面のすべての情報が再生(再現)されています。よくホログラム再生像は色情報が欠落しているという指摘がありますが、照明光が単色光でしたからその時点から情報が欠落しているわけではありません。偏光状態も含めて完全(whole)な再生です。
波面分割によるHologramの記録と再生の状況を冒頭で紹介した書籍Optical Holographyから引用します。

再生像をのぞき込んでいる時の動画を掲載します。
視差の感覚がご理解いただけますでしょうか?
記録時に使う写真乾板(ガラス板に銀塩感光材料を塗ったもの)に要求される条件はかなり厳しいものがありますが、具体的な計算を別記事で紹介します。



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