#1微分方程式を解く 変数分離型
回路図は、

このように抵抗RとコンデンサCを直列につないで、上図Vinにt=0のタイミングで一定電圧Vを加えた場合のコンデンサの電圧変化を調べようということです。図のように回路に流れる電流の時刻tの時の電流値をI(t)とすると、定常的に抵抗Rの両端電圧Vr=I(t)R、コンデンサCの両端電圧は、コンデンサに蓄えられている電荷Q=CVcとすると
の関係が成り立つ、今
なので、
となる。両辺をtで微分すると、左辺は定数なのでゼロ。従って、
整理して、
両辺を積分するつまりをつけるだけ。
結果
つまり、
ただしAは積分定数で、初期条件t=0の時にVc=0とみなせるので、 である。
結局
時刻tの時のVcは、
となる。具体的に数値を与えてグラフを描いてみよう。

このようになる。今Vin=5V,R=1kΩ,C=1μFとした。上図のVcの増加はVinに漸近するが、その立ち上がりの速さは、RCで決まる。RCの単位は秒で、その値は1msである。このRCの積を時定数と呼ぶ。RCの単位が秒[s]になるのは、
よって、RCの次元(単位ともいふ)は、
の通りである。
今知りたいのは、Vcが1.4Vほどになる時刻tである。グラフから概略の値は横軸の表示が読み取りにくいので不明。Excelで数値計算してるので、テーブルで確認すると、
6 3.00E-04 0.740818221 0.259181779 1.295908897
7 3.50E-04 0.70468809 0.29531191 1.476559551
8 4.00E-04 0.670320046 0.329679954 1.64839977
ということで、300μsより大で、350μsより少ないという程度と分かる。正確な値は、Vcの式をtについて解いて計算すればよい、
において、R=1000,C=1.00E-06,Vc=1.4,V=5を入れて、
で計算すると、

となるので、328μsという答えが得られた。具体的な電圧値1.4VというのはTTL Logic ICにおけるL->Hの遷移電圧である。これが具体的に意味を持つ回路を次の記事で紹介する。

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