Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation の略
ではLight Amplification by Stimulated Emission of Radiationとはなんだろうか?

直訳すれば上図のように、輻射の誘導放出による光増幅ということになります。これは現象のほうであって、LASER装置であれば、輻射の誘導放出による光増幅器を指すことになります。

ここから概説しますが、厳密なものではなくお話レベルとして理解してください。
原子の単純化したモデルを示します。原子核の周りに電子が周回しているイメージです。

今単純化のために、電子が周回している軌道はE1とE2だけとします。その時に、さらに単純化すると右側の図のようになります。ここで、

電子が高い方のエネルギー準位E1から低い方の準位E2へ移る時エネルギーの差分に相当する光が放出されます。これが自然放出で、確率的に起こる現象です。逆に、

電子がE2に在る状態で、外部から光などが照射されると、そのエネルギーを吸収して、電子はE1に遷移します。これらが同時に起こることがあります。それが、

誘導放出(Stimulated Emission of Radiation)です。電子が高い方のエネルギー準位に在るときに、ちょうどエネルギーギャップに等しい振動数を持った光が到来すると、電子は準位間をドロップして、光子は二つになります。この時出てくる二つの光子は、振動数、位相、偏光が同じものになり、正確な複製(cloneと言った方が今時は理解しやすいかな?)になります。1が2になりますから、見事に増幅されていることになります。もの凄く単純化すると、これがLASERの動作原理です。ということで、LASERの構成要素は、

のように、LASER現象を起こす媒質(気体、固体、液体、プラズマ)、光共振器、励起方法が重要です。実際は、よくみかけるHe-Neレーザーでさえ、そのエネルギーバンド図は、

のように複雑ですが、なんとかして632.8nmの光を外部に取り出しています。

原理も見かけも蛍光灯に似ているかもしれません。レーザーから出てくる光は、直進性がありいわゆるビーム状になりますが、それは、

上図のように光軸から外れた光は、長く共振器内に留まれず、回折損として消えゆくからです。上図のように、光共振器内にさらに平面平行板(エタロン)を入れると、波長がさらに選択されて波長の単一性が増し、結果としてレーザー光のコヒーレンスが向上します。Arイオンレーザー等でこの機構を使います。コヒーレンスというのは、波長単一性であり、それゆえ可干渉性とも言えます。別記事で述べるかもしれないホログラフィーなどではこの性質が必要です。レーザーは基本的にその物理現象(誘導放出)ゆえに、出てくる光の単色性は強いわけです、

波長成分をスペクトルと呼んだりしますが、

レーザー光はすばらしく狭帯域つまり狭いスペクトルの光です。それに比べると、太陽光等の自然光は、ブロードなスペクトルを持っています。そういう光では、干渉現象は起こりません。

それは上図のような干渉計を考えてみれば明らかですが、次の記事で触れましょう。


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