Optical Holography #1

LASERの可干渉性を利用して、光波のすべての情報記録して、後に再生する手法について簡単に触れます。

筆者は長年この分野の研究に携わっていました。まずHolographyという用語ですが、

Holo = Whole 全ての

graphy = 記録技術・記録手法

ということで、Optical=光学的なを付けて、光波の全ての情報の記録と再生ということが可能なのが、Optical Holographyということになります。同じく波である音波でも同様なことが可能であり、その場合は、Acoustic Holographyと呼ばれます。訳としては”音響ホログラフィー”ということになりますかね。きろくされたメディアの方をHologramといいます。SF映画でおなじみですね。

Holographyの発明はガーボル・デーネシュによって1947年になされたとされています。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%83%A5#:~:text=%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%83%A5%20CBE%2C%20FRS%EF%BC%88,%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6%E8%B3%9E%E3%82%92%E5%8F%97%E8%B3%9E%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

彼が発明したのは電子線をつかった、いわゆるIn-line Holographyであったので、あまり一般的ではなく、後にコヒーレントな光源としてLASERが勃興してきた1960年代に、Off-axis Holographyとして盛んに研究されるようになりました。

前記事でのマイケルソンの干渉計において、光源の単色性が必要と述べましたけど、どの程度の単色性があるかのパラメーターがコヒーレント長です。この二つは同義です。つまり、

光源からの光波は、

つまり光源からの光の振動が、どの位の長さに渡って綺麗な位相変化を続けるのかがコヒーレンス長です。(厳密な定量的な定義は省きます)とはいうものの、光は電磁波のある周波数範囲のものです。電磁波ということは”波”には違いありませんが、ここで位相とかいっているのは、一体電磁波のうちの電場なのか磁場なのかどちらでしょうか?これを実験的に確認したのがWienerですが少し後で触れます。昔授業で使っていたスライドから図を転用します。まず光とは?

電磁波に限定して周波数範囲を観てみると、

可視光線(我々が光として感じることができる範囲)は凄く周波数的には”狭い”ことが分かります。上図で赤より波長が長い方は”赤外線”ということになり、我々とは日常的に温熱効果で関わりがあるかもしれません。さらに長い波長領域は”電波”ということなり。日常生活とは密接に関係してきます。逆に波長が短い方は、紫外線ということになり。X線くらいならば、時々お世話になりこともあるでしょう。さらに短い方の\(\Gamma\)線はあまり関わりたくないものになりますかね。

さて電磁波はMaxwellの方程式からその存在が示唆されきていたわけですが、電場と磁場が交番しています。これを平面上に示すのは難しいのですが、

上図のPはEとHのベクトル積(結果がベクトルになる)で、いわゆる外積です。で、これが電磁波が伝えるエネルギーの流れを示します。波としての基本的なパラメーターは、

となって、波長から振動数を計算することができます。例えば波長500nmの場合ならば、その振動数は、\(6×10^{14}Hz\)となりますがピンと来ない数字ですね。

600THzということになります。上図は10の3乗毎に変化する単位の接頭辞ですが、対象が変わっているのに注意してください。我々がよく使う単位では、MHz,GHz,今言及したTHzくらいが周波数の単位。一方長さだと、Kmからμmないしnm(先ほど例を挙げました)ですかね。時間の単位で短い方だとps,fs,asとかですが、asとかは滅多に我々の高速度現象の分野でも出てきません。msとかμs,nsはよく使いますよね。

で、電磁波に付随するのは電場磁場両方ですが、デジカメ内部のセンサー類(光電変換素子)や昔ながらの銀塩感光材料(死語?)と相互作用するのはどちらでしょうか?あるいは両方でしょうか?両方だと面倒ですが….。それを実験的に検証したのがWienerです。

電場ということが分かっています。もちろん磁場ないし磁気ベクトルを検出するセンサーもありますが、特殊です。

ということで電場だけを考えればよいので、

ですが、どんなに高速な光電変換素子でも、光波領域の電場の瞬時値を計ることはできません。周波数が高すぎます。で、

R.M.S.については以前に書きました。ので以下を参照してください。

簡単に図で示すと、

ということでした。さらに長くなりそうなので、以下は次の記事で、

コメント